住宅街にある民家に一人の男がソファーでくつろいでいる。
スキンヘッドにサングラスの大柄な男。一見マフィアに見えるがれっきとした魔法“先生”である。

「訳が解らん。何故この名簿の俺の所が『グラサンスキン』なんだ?」
彼が見ているのは地図と一緒に入っていた参加者名簿。そこに何故か自分だけ本名じゃない事に不満を感じていた。
「ふざけやがって……俺の名前はグラサンスキンじゃなく……」
『やあ諸君頑張っておるかのお?定時放送の時間じゃ』
突然頭の中に響く学園長の声。恐らく念話だろう。

『まずは死んだ者の発表からじゃ。明石教授、高畑・T・タカミチ、葛葉刀子、シャークティー、以上じゃ』
「もう半分近く死んだか。まさかあの高畑と刀子がもう死んだとはな……」
動揺がないと言えば嘘になるがそれでも冷静に名簿に×を入れていく。

『次に禁止エリアじゃ。0時にC−2じゃ。みんな気をつけるように。では健闘を祈る』
「C−2と……ここが禁止エリアになるな。というかマスがでかいな……」
地図のマス目は縦ABC、横123、全部で6マスしかない。
「10人しかいないし仕方ないか……よし、行くか」

バッグからゲームボーイのような機械を取り出した。画面にはいくつもの点が表示されている。
彼の支給品は首輪探知機。100m〜1kmまで切り替えが可能。防水、防火完備の高性能品だ。
「やはりこの二人組みの所に行ってみるか……敵ではなさそうだしな」
外に出ると目の前には真っ黒なベンツが一台あった。
「魔力の節約のためだ。少し借りるぜ」
そのベンツに乗り込む様はまさにマフィアのそれである。
無理矢理エンジンをかけると探知機で表示された二つの点に向けて走りだした。

【残り 6人】

戻る  進む

魔法先生ロワイヤルトップへ戻る