「ここは……?麻帆良じゃない。どこかの……島?」
ネギが転移された場所は山上の展望台だった。見渡しがよくこの島を一望できる。
「本当に……殺し合いなんかが……?ま、まさかそんなハズは……」
無い、と否定しようとした時遠くの海岸で轟音が鳴り響いた。

「今の音、それにあの煙……!」

ネギは見覚えがあった。武道会での戦いであれと同じような物を。
「まさかタカミチ……!?あそこで一体何が……」
何が何だかわからない。しかし少なくともあの場所に高畑がいるのは確かだ。
ネギは高畑のもとへ向かおうと杖に跨った。その時だった。

「待ちたまえネギ先生!」

声のする方を見ると木の陰に褐色肌の男、ガンドルフィーニが銃を構えて立っていた。
「ガ、ガンドルフィーニ先生!?」
「その杖から降りなさい」
「でも向こうでタカミチが……!」
「いいから!!」
ガンドルの迫力に押され渋々と降りるネギ。それを確認するとガンドルも構えを解いた。
「危なかった……もし私が止めていなかったら君は死んでいたかも知れない」
「ど、どういう事ですか?」

「禁止エリアは聞いただろう?どうやら上空も制限されてるらしい」
ガンドルも位置の確認をしようと空を飛んだ。しかしある程度の高度に来ると首輪から警告音が鳴り始めたのだ。
「そ、そうだったんですか。ありがとうございました。それで……こ、殺し合いというのは本当なんでしょうか?」
そのネギ質問にガンドルは一瞬表情を曇らせたがすぐに険しい表情になるとネギに告げた。

「明石教授が死んでいた。体の至る所を切断されていたよ……」
「そ、そんな……それじゃ……裕奈さんは………………」
信じられないと言った表情のネギの頭にガンドルはそっと手を乗せた。
「受け入れたくないかもしれないがこれが現実だ。これからもっと辛いことが起きるかもしれない。それを覚悟してほしい」
そう言ってガンドルは先ほど高畑が居ると思われる海岸に目を向ける。

「さて、高畑先生があそこにいるかもしれない。急ごう。………どうしたんだネギ先生?」
「先生は……このゲームをどうするんですか?」
ネギの質問にガンドルは少し考えると笑顔で答えた。
「勿論脱出に決まってる。人を殺してまで生き残っても娘が悲しむだけですからね。さあ急ごう!」
「はい!」
二人は急いで海岸へと向かった。

(教授を殺した犯人は一体?切断されたのを見ると刀子先生か、神多羅木先生か?だが支給品次第で誰でも可能……)
走りながらガンドルは思考を巡らせるが結局答えは見つからない。

(結局はみんな怪しいというわけか……はたして高畑先生も敵か味方か……)

(タカミチ……きっと大丈夫だよね?生きて帰れるよね?)

ガンドルの不安は果たして的中するのか、杞憂に終わるのか?
ネギの願いは果たして叶うのか、裏切られるのか?

この先起こることはまだ誰にもわからない……

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