「写真には写らない美しさがある」

どっかのバンドがそんなのを歌ってた。私はその歌詞を聴いて思った。

写真に写らない美しさがあるなら写真に写らない汚さもあるんだって。だから私はひたすら写真をとった。

この世の美しいものや汚いもの全てを包み隠さず伝えるため。報道という形で私は全てを伝えようとした。


でもあの歌詞の通りやっぱり伝わらないものもあるんだ。写真も記事も所詮はモノでしかない。

どんなにいい写真を撮ってもどんなにいい文章が書けても、本当の心は伝わらない……。

人の心はカメラなんかでは収められない。心を写すには同じくらいの心が必要なんだ。


彼といる時、私はカメラを持たない。撮影の必要がないから

彼との写真、多分数枚もない。無くても困らないから

彼の写真は私の心のアルバムにしまってあるから

何年経っても色褪せる事のない写真を沢山撮ってあるから

私が死ぬその時まで、心のカメラで美しい君を撮り続けるよ

そしてもしあの世に行ったら、心のアルバム開いて二人で笑い合おうね


おわり

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